ネカフェの店員をしていると個性的な客に遭遇する・・・【番外編】

<本編>ネカフェの店員をしていると個性的な客に遭遇する・・・なかでも【強烈だったキャラTOP5】をご紹介w ある日突然奴は現れた。
雪のように真っ白く染めた髪、身長推定170cm前後。
しかし四肢は小枝のように細く顔色は血が通っていないのかの如く青白かった。
そして何より「そのガリガリの体のどこにそんな膂力があるんだ」
と問いたくなる程パンパンに膨れた登山用のバ力でかいリュックを背負っていた。
まず、見た目のインパクトに驚かされたのだが、その態度にも驚愕した。
まず一言も喋らないのだ。
こちらの問いかけに対しても無言で頷き
部屋や料金プランはメニューを指差しながら
一言も言葉を発することなく決めていく。
この辺りで俺は異常性はひしひしと感じたのだが
まぁ、ダウナー系であれば特に害は及ぼさないだろうと腹をくくっていた。
しかし、直後にその予想は裏切られることになる。
うちの店の通路は基本的に狭く入り組んでいる。
特にレジの前から禁煙エリアに向かう通路は
雑誌の棚が少しせり出しているせいで通路幅が一番狭くなっている。
俺はあちらの奥の席になりますと、その通路の方向に手を向けた。
女がゆっくりと歩いていった次の瞬間。
ガスッ!という音とともに女の背負っていた
バ力でかいリュックが雑誌の棚と通路の壁にひっかかった。
まぁ背負わずに持っていれば余裕で通ることができるのだが
女は頑なにそのまま通ろうとするために
雑誌コーナーにささっている雑誌が通路に落下し
壁からはサーーッという衣刷りの音が聞こえた。
正直あの感じで狭い店内をぶつかりまくりながら歩かれても困るな
と感じた俺は一応注意しに行くことにした。
俺は女が通路を抜けきった辺りで声をかけた。
「お客様、申し訳ないのですが当店の通路は非常に狭くなっていますので
 お荷物を持って移動される際はお気を付けください」と一言告げた。
次の瞬間「んんーっ んー!!!!!」と
女が駄々っ子のような声あげながらいきなり素早く半身をよじってきたのだ。
もちろんリュックは背負ったままなので、
そこそこの重量を持った物体が遠心力で力を増し俺に向かってぶつかった。
衝撃でダンッ!っと俺は軽く壁にたたきつけられた。
「んんーーー!! んーー!! ふーーーっふーーーっ!」
呆然としている俺に対し、女は肩を上下させながら
興奮冷めやらぬといった表情で言葉を発さず唸っていた。
目は完全に据わっており、ただただこちらを凝視している。
怖くなった俺は無言のまま、そそくさとレジに戻った。
「あいつはやばい・・・」
さっきはちょっとカバンで小突かれた程度だが
その内発狂して暴れだしそうな狂気を確かに感じた。
そういいつつも、それ以降部屋から出てくることはなかったので
安心しているうちに休憩の時間になった。
休憩中はブースを使ってもいいことになっている。
その時俺はsteamのゲームにはまっており休憩中にプレイしようと思っていた。
しかし、プレイできるスペックのブースがキチ女の隣のブースしかなかった。
更に、そのブースの一帯は店の中でも離れ小島のように奥にある一画で
その女以外周辺に誰も入店者はいなかった。
まぁ少々気になるところはあったが、キチ女の隣で俺は休憩をとることにした。
ブースに入ってしばらく経ったころ
蚊の鳴くような声であるが、隣の女が喋っているのが聞こえた。
「・・・・ら・・・・な・・・・・・」
最初は特に気にならない程度だったが
やがてヘッドホン越しにもはっきりと聞こえるほどの
大声かつヒステリックに叫び始めた。
「かみきらないでぇ! ふーっふーーっ やめて!!!!!」
「か み き ら な いで ぇ!!!!!!なんで!!!!!
 ハサミ置いてよ!かみきらないでぇ!!!!!!!!!!」
一応、奥のブースで周りに誰もいないので
あえて注意はしなかったのだが、あまりに狂気に満ち溢れていた。
もう一度いうが周辺には俺とこの女の二人しかいない。
髪を切ろうと襲ってくるやつなどどこにもいないのだ。
俺が休憩している約1時間ほど
女は髪を切りにくる悪魔と叫びながら戦っていた。
女の声にノイローゼ気味になりながら
バイトを終える時間になった俺は引き継ぎの同僚たちに女の事を話し
「やばいから刺激するな。店長にも朝伝えておいてくれ」と報告し帰宅した。
次の日、出勤すると女は消えていた。
店長に「何事もなかったですか?」と尋ねると
「いや今日はK察も呼んだし大変だったよ」と返された。
あの女はやはり何かやらかしたらしい。
聞いてみると、夜中は静かに寝ていたらしいのだが、店長たちが来た朝方。
あのバ力でかいリュックを背負った状態で
「んーーー!! ふーっふーーーーーーーーーっ!!」
と肩を揺らしながら、通路を全力疾走し始めたというのだ。
狭い通路を突き当りにぶつかるまで全力で駆け抜け、
角にぶちあたれば方向転換しまた真っすぐ走り出す。
当然でかいリュックは壁や棚に激しくぶつかり
漫画は散乱し、棚の位置は、ずれるといった大惨事になったらしい。
とんだCrazy Trainである。なんとか止めた店長が
「店内で暴れないでください!!出て行ってもらいますよ!!」と警告したらしい。
すると女は
「ふーーっ ふーーーーっ うるさい!!! 
 私は・・・・私は止まれないんだよ!!!!!」
と言いながら、おもむろにハサミを取り出し自分の髪を切り始めたのである。
あまりに狂気的な行動に手に負えないと判断した店長は
即座にK察を呼び女は連れていかれたそうだ。
やはり最初に感じた違和感は間違っていなかったと思いつつ
危険分子が排除されたことに俺は安心した。
一か月程経った頃、もうそんな女がいたことも
記憶の片隅に追いやられていた頃同僚からLINEが来た。
「おい、前にお前が言ってたキチ女いるじゃん?」
「おぉ、それがどうかしたん?」
「さっきバイト終わって帰ろうと思って、電車にのったのよ」
「んで、発車のベルが鳴ってドアが閉まろうとした時、
 いきなりホームから「あけろおおおおお」って全力疾走で
 ドアに突っ込んできた女がいたんだけどさ」
「そいつ白髪ででかいリュック背負ってたよ。多分、お前がいってた奴じゃね?」
まだバイト先周辺に奴はうろうろしているのかもしれない。
雪の女王の巻~完~
【一人遊びマスター黒沢】
黒沢、奴は流星の如く現れた。
その圧倒的発電パフォーマンスはオーディエンスを熱狂させ
店内に熱い空気の渦を作り出す。今日も黒沢がやってきた。
またあのクールでエキサイティングなパフォーマンスを間近で見れるのだ。
黒沢はブースに入ると、まず扉を全開にする。
来るもの拒まず、自らのパフォーマンスを自由に感じろと言わんばかりの後ろ姿。
そして、ズボンを下ろす。
パソツ・・そんなものは必要ない!
解放こそが、より良いパフォーマンスの呼び水となるのだ。
いよいよ黒沢のライブが始まる。
ヘッドホンから漏れ聞こえる小気味良いリズム感を伴った声に
黒沢もたまらずジャムセッションを始めた。
この熱いライブはなんだ!この心地よいビートはなんだ!
黒沢の熱気にあてられたオーディエンスがライブを一目見ようと駆けつけた。
辛抱たまらないファン達に熱い目線を送る黒沢、
この空間での出来事をみんなで分かち合おうと
黒沢のパフォーマンスは更に激しさを増していく
そして絶頂の快感に打ち震えるのだった。
シンプルに言うと扉全開、まるだしで行為を始め
店員が後ろを通ると目を合わせてきて
そのまま発電を続行し果てるという古強者でした。
仲のいい男の同僚二人と入っている時に来ることが多かったので
面白がって放置していましたが店長に注意されてから来なくなりました。
【捧げる女】
山姥という例えがここまであてはまる女もいないであろう。
50代後半ぐらいの容姿、白髪だらけでボサボサの長髪を前に垂らしたおばさんであった。
この女、男性店員には全く害がないのだが、
女性店員に対してはほんの些細な事でヒステリックに怒鳴りつけるという癖があった。
騒音おばさんをイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれない。
そして奇妙な事にシャワーを浴びた後、必ず部屋の扉を半分ぐらいあける。
通路を通るときにチラッと部屋の中が見えるのだが、必ず全ネ果で寝転んでいるのだ。
ある日、俺と同僚の男2人で夜勤に入っていた時の事である。
レジから一番遠いゴミ箱の中から、
弁当、ペットボトルのお茶、おにぎりが2人分
未開封のままコンビニの袋に入った状態で捨てられていたのである。
奇妙だったが、その日は特に何も思うことはなかった。
しかし、この日以降、度々2人分の食事が発見されることになる。
そして、そこにある法則性を見つけた。
夜勤が男女のペアの時に食事は見つからないのだが
夜勤が俺と同僚男が入った時だけ、食事は見つかるのだ。
これはどういうことかと思った俺たちは、真相を突き止めることにした。
休憩を返上して、ごみ箱周辺の監視カメラを見つめる俺達。
遂にその瞬間は訪れた。
朝の6時頃山姥女が笑いながらコンビニ袋に入ったままの食事をゴミ箱に入れていたのだ。
俺たち2人はなんともいえない恐ろしさを感じた。
それ以降も供物は常に届けられた。
未開封とはいえ薄気味悪いので、俺たちは手をつけなかったが。
そんな山姥であったが、ある日発狂しながらカッターで
ブースのフラットマットをズタズタに切り裂いているところを店長に見つかり出禁にされた。
【闇金神取さん】
文字通り、神取忍にそっくりの女性であった。
男性が見間違うような短髪、小柄ではあるが、かなり恰幅がよく
肩で風を切って歩き声は非常にドスが聞いていた。
しかし、そんな見た目とは裏腹に礼儀正しい女性である。
神取さんは、毎日深夜に出かけては明け方に帰ってくるという生活サイクルを送ってきた。
店に通い始めてから少し経った頃
神取さんは度々外出から帰ってくるのが遅れ、延長料金を支払うことが多くなってきた。
同僚が戻ってこられる時間が不規則なら、
「もう少し長いパックで入られたほうがお得ですよ」と教えてあげた。
神取さんは恐縮そうな表情で
「そうですか、今度からはそうします。
 結構時間が不規則な仕事についてるもので・・」と語った。
同僚は「なんの仕事をされてるんですか?」と尋ねると。
「そのー・・・闇金の取り立て・・・です」と神取さんは答えた。
それから程なくして、神取さんは店に来なくなった。
そして数か月後、神取さんの事が記憶から薄れかけた頃である。
神取さんが久しぶりに入店してきた。
しかし、その容姿は激変しており、そこそこ恰幅のよかった体は
「服のサイズ何段階変わったんだ?」というほどやせ細っていた。
顔も全体的にゲッソリとした感じで、
病気から復帰した直後のチュートリアル福田そのものであった。
久々に同僚が神取さんに話しかけていた。
聞くところによると、最近耳鳴りと頭痛がひどい。
お酒を飲まないとぐっすり眠れなくなった。
など、相当なストレスをためこんでいるらしい。
「世間からは冷たい目で見られるし、たいしてお金ももらえない・・・」
「こんな仕事早く辞めたいですよ・・」と神取さんは語っていた。
そして、1ヵ月程経ち、神取さんは来店してこなくなった。
最初はリアルウシジマくんだ!!すげぇ!!と思っていたが
闇金という職についた人たちも、
常になにかから搾取されつづけ身をすり減らしているのかもしれない。
【黄巾の乱】
ある日40代前半のおばさんが来店してきた。彼女には秘密があった。
黄色づくめの組織に、その命を付け狙われていたのである。
このおばさん、部屋に戻るとき少しでも隙間が空いていたりすると
「奴らだわ!!黄色い恰好をしたあいつら!!!」
「また奴らが私の事を、狙ってきたのよ!!!」
「あなた達!!この店に奴らの仲間が忍び込んでるわよ!!!気を付けて!!!」
「寝ているときも奴らの攻撃が止まらないのよ!
 おかげで昨日は一睡もできなかったわ!!!」
というような内容をカウンターの前まで言いに来るのだが
俺達とは距離を取り、明後日の方向に向かって喋りだすため
会話をしたいのか独り言なのかの判別もつかない。
しかし、たまに返事を返してあげても無視して1人で喋っているため
独り言だと理解し放っておいた。
ある日このおばさんが滞在していた時間帯にクレームのメールが来た。
「いつも利用させていただいていますが
 そちらの店舗には衛星や電波を使用し
 他人を監視、攻撃するといったような組織あるいは
 スパイのような者が潜んでいるのではないでしょうか?」
「もし確認できれば、ぜひ早めに対処をお願いします」
といった内容であった。もちろん特に対処はしなかった。
今でもたまに来店してくるが、組織からの追撃は続いている模様。
【がしゃどくろ】
過去見た目がこれ程強烈な奴もいなかった。
身長は185cm前後であろうか、長身であり
骨の上に桂剥きにされた皮を張り付けたようなやせ身。
10円ハゲが点在する五厘刈りの頭に、何故か存在しない眉毛。
くっきりとこけた頬にシミだらけの肌、落ちそうなほどに黒ずみ窪んだ眼窩
おまけに、歯の8割方が炭化したかの如く黒ずんでいた。
どう見てもヤク中のお手本となるべき風貌である。
(奇行や見た目、異常な感情の起伏を含め確実にやっていたと思う)
がしゃどくろとは見た目もそうであるが、その行動にも由来がある。
がしゃどくろという妖怪は生きている人間を見ると襲い掛かる。
という話があるのだが、こいつもその伝承を地で体現していた。
恐らく、薬でトリップしている時だと思うのだが。
来店してきた時、急に店の入り口にしゃがみ込む。
そして、他のお客さんが入店してくるとでかい声で
「お前だれだよぉおおおおおおおおお!!!!
・・・おまっ・・・・お前誰だよおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「おまっ・・・誰だよおおおおおおお!!!
 お前だれだよおおおおおおおおおお!!!!」
と座ったまま威嚇しまくるのである。
これを注意しに行くと何故か逆切れされ、こちらの態度が悪くなると
「てめぇら若いもんは血の気の多いバ力しかいねぇな・・すぐ手ぇだそうとしやがる」
「おら、殴ってみろよ、そしたらテメェK察につきだしやるから」
と、自分の頬をぺちぺち叩いて煽ってくるのである。
何度もブン殴ろうかと思ったが、ギリギリで我慢していた。
実際俺が関わったのは数回だが、このがしゃどくろ
うちの店舗に度々現れる有名な妖怪で
出没すると社員全員に"○○店にがしゃどくろ出現"というメールが回る。
一応全店舗で出禁にしてはいるのだが、現れる頻度がそこまで多いわけではなく
なおかつどこの店舗に出没するかもわからないので、
まさに天災のようなガイジであった。
【孤独のグルメ】
これは本当にタイトルのままのエピソードである。
ある日、ブースの方から、声が聞こえた。
ブース内で電話しているのか、
はたまたヘッドホンを使わずに動画を見ている奴がいるのか。
俺は注意すべく声の聞こえるブースに向かった。
すると、音漏れ等ではなく、誰かが喋っている声であった。
しかも電話で会話している様子でもない。
そもそも会話ではなく、何かを読み上げているような・・・・・
部屋の前までたどり着くと中からは
「モノを食べるときはね誰にも邪魔されず、
 自由で何というか救われてなきゃダメなんだ。独りで静かで豊かで・・・」
「ズッ・・・・・」
「もぐ・・・もぐ・・・・もぐ」
「うん!これこれ!」
なんと漫画を音読しているのである。
擬音までしっかりと口に出すところに謎のプロ意識を感じつつ
面白かったので、そのまま放置しておいた。
帰った後、部屋に孤独のグルメがあったので、これ読んでたのかとわかった。
最後にネタばらしをすると
読み物を意識して書いていたので、
一部他の店員が対応した話を自分が対応したと置きかえたり
起こった出来事の時系列を入れ替えたり、
話の流れのために細かいエピソードは省いたりと脚色はありますが
全て自分のバイト先で起こった実話であり書いた人物は全員実在しています。
例えば、るなちゃんは実はあの後もう一度食い逃げをしています。
2回目は友達が迎えにきてなんとかしてました。
友達は似たような感じのギャルでしたが、一応会話はできる普通の人間でした。
丁稚も殴られ始めてから、1回短期間だけ逃げ出したことがあり
公園で寝泊まりしていた時期がありましたが、これも省いています。
ハゲダヌキも追い出す前に、一回うちを出て行って系列店に2ヵ月程いましたが
バイトLINEで店長が
「残念なお知らせです。ハゲダヌキさんが先程うちに戻ってきました」
と発言して以降、またうちで滞在することになりました。
こういう話の流れを一旦切られるような出来事は省いています。
他にはAさんとハゲダヌキの最後の言い争いのシーンなどは
当然現場を見ていないので、話を聞いて想像で書いてます。
へドラも同様、放出している最中俺は現場にいないので
聞いた話と店の惨状から想像して書いてます。
とまぁ、かなり創作性はある内容にはなっているのですが
ここに書いたエピソードは体験したのが自分であれ、他のバイトであれ
全てうちの店で実際に起こった出来事です。
信じるも信じないも読んでいただた方にお任せいたします。